不思議な小旅行
いらっしゃ~い、今夜もいい月…秋も深まってきたわね
この前のお彼岸の頃だったかしら、不思議な体験をしたのよ
薬をもらいに行くお医者さんに行列ができててね
待つ気がしなかったからまた今度にしようと思った帰り道、ある学校の前の山がなぜか気になって、よく見ると階段がついてるじゃない
その下には看板があって「囲山古墳」って。縄文時代か弥生時代のものらしくてさ
まさか古墳に出逢うなんて思ってもみなかったからワクワクがどうにも止まらなくなっちゃって登ってみたの
そしたら大きな葉っぱが手招きするように揺れててね、風もないのにその揺れ方が尋常じゃないわけ
不思議に思いながらも歩いていくと、樹々についた朝露がキラキラしてて古墳には光がさしてて神々しいったらもう思わず拝んだわ
街中にそんな昔のものが在るなんて知らなかったから、導いてくれた葉っぱにお礼を言おうと近づくと私の大好きな露草が!
今まで道端でいっぱい目にしてきたけれど、あんなにオーラを放つのは初めてだった
いい朝だったな~ってしみじみ思って家へ戻ろうとしたんだけど、フッとこの時季に「工房匠の里」へ行ったことがあったのを思い出してね
久しぶりに寄ってみると花嶋伊都子さんの陶芸展をしてて、ラッキー☆
そしてその建物の向かいに散策道を発見!これは行けってことでしょって思って緑を眺めながらずんずん進むと「丸山遺跡」って看板
えええーっ まさかの本日2つ目の史跡??
草が刈られたあとの道、この先に何が待っているのか?本当に遺跡があるのか?
途中薄暗い場所があったりして恐る恐る進むといつのまにかKAGUYAの世界に迷い込んだように竹林に囲まれていて、現れた古墳群!!
…っていってもなんとなく地面が盛り上がってる?って感じなんだけど一応全部見ておくか~と思って歩くと屋根のある休憩所みたいな所に着いたの
気づくと下に駐車場があってね、ふぅ~んって眺めて引き返そうとしたんだけど
んんん?私、ここ、来たことある!って確信したの
デジャブじゃないのよ、確かにこの駐車場、見下ろしたことがある、あれは20年近く前かな、3歳くらいの息子と2人ここでお弁当食べた…
あんまり長く居なかったけど何だか気持ち良かったからまた来ようって息子を車に乗せて、今度来た時はあの橋の所から車の流れを見ようって、息子が喜びそうだなぁ…なんて思ってた、あの橋は私が今通ってきたあの道だ、あの日は夕方遅くなって慌てて帰ってそれっきりになっちゃったんだ
でもどうして今さらそんな忘れてた記憶が甦ったのかなぁ~県外にいる息子に何かあったかな~米でも送るかな~って思ってたのね
そしてその日の午後、親友と同じ名前の恵美子さんとお話して解かったの
その頃の私、すごく頑張ってた
そんな自分を認めてあげなきゃいけなかったんだって
何を今さらって? そうよね
でも次に進むために過去の自分をちゃんと認める必要があったんだと思う
その後はつい最近まで自然に触れることもなくずっと我武者羅に生きてきた
ほんと情けないけど自分が何をしてたか記憶にないほどよ
でもやっぱり
ご先祖様のおかげで私が居るように、あの頃があるから今があるのよね
不思議な小旅行は
先人に出逢うと同時に、昔の頑張ってた自分に出逢う旅でもあったってわけ
そのために誰かが私をあの場所へいざなってくれたかと想うと、また涙がでちゃう
今まで歩んできた道は平坦ではなかったけれど私が選んだ道
多くの人の助けをかりながらも懸命に歩んできたのは私自身
だからこれからも、自分の選んだ道を迷うことなく後悔せずに歩んで行くわ
今さらでごめんなさいね(笑) え?何かあったのかって?
そうねぇ、山口百恵のラストコンサートを観たからかしら… 久しぶりだったけど何度観ても素敵だわぁ~ そう、40年前の今日、彼女はマイクを置いたのよ
「さよならの向こう側」はもちろんいいけど、私のイチオシは「曼珠沙華」ね
だから今日はこの曲、伝説の名唱をどうぞ
山口百恵 曼珠沙華(マンジュシャカ) 歌詞&動画視聴 - 歌ネット
曼珠沙華はお彼岸の頃に咲くから彼岸花とも言われていて、不吉な意味を想像する人もいるようだけど、花言葉なんて所詮誰かが勝手につけたもの
お花に罪はないわ、ただ咲いてるだけよって前に黄菖蒲が教えてくれたの
一本一本に魂が宿っているようで涙が出たわ
どの花も今そこで咲きたくて咲いているのよね
私の詩にぴったりの写真が撮れたから、今度お見せするわね
またのお越しをお待ちしております☆彡